家族はもちろんのこと、家畜や犬や他人にも分け隔てなく愛を注ぐグランの生き方は素晴らしいです。無骨でたくましく、やさしいグランの元でトヨンは立派な猟犬に成長し、一家の危機を何度も救います。トヨンの中に老猟師の魂を見ているグランは彼を「我が家の守り神」と呼んでいます。
どんなに厳しい環境にあっても感謝する気持ち、人を思いやる心を持っているグラン一家や極北の人々に感動しました。すさんだ現代社会に生きていて、忘れがちな大切なものを改めてみつめることができました。どんなところにあっても犬は人を助けるためにそこに存在しているのです。 極北の自然に生きる人と動物の命のふれあい子供の頃、何度も何度も読み返した作品です。最初と最後に登場する、グランから話を聞く「私」(政治犯として流刑で護送される途中グランに出会う)と老いたトヨンとのふれあいも、グランとトヨンの長い物語の後だけになおさら感動を呼びます。厳しい北国の自然の中で人も動物も真剣に生きています。
ロシアの北方民族の風俗も読んでいて非常に興味深いものがあります。大人が読んでも十分読み応えがあり、深い感動を呼ぶ作品です。