付録に収録されていたのは分量から推察しておそらく抄訳だったものと思われます。その後、雑誌の投稿欄か何かを通じて、この本の原作を探す動きがあり、僕も「みつかった?」「いいえ、まだ」などと見知らぬ女性と手紙を交わした時期があります。
1971年に講談社から出版されたらしいのですが、特に気づきませんでした。これは絶版となり、復刊ドットコムで67票を獲得したあと、岩波書店から刊行されたのがこの本です。大人になってからも、時折思い出した心に残る物語、ようやくほんものに出会うことができました。 不思議な味わい貧しい主人公は絵の具さえ買えない。彼が手に入れたのは「ほんとうの空色」だった。不思議な出来事のあと、大人になった彼が見た「ほんとうの空色」は・・・。英語圏のと違った(ハンガリー)不思議な味わいのファンタジーです。
とにかくマイペース一家のムーミントロールにムーミンパパ,ムーミンママ。小心者で虚言癖があるけれど憎めないスニフ。放浪のムムリク・スナフキンになんだかよくわからないニョロニョロなどなど多種多様な登場人物たちが自由に気ままにムーミン一行の前に現れ,去っていきます。
お話もどこかのんびりしているけれど,そこはかとない寂しさが漂っていて魅力的。日常の喧騒がすっかり吹き飛んでいく静けさもあって,万人におすすめできます。
イラストがまた秀逸。トーベ・ヤンソンの描く素朴だけれど洗練されているキャラクターの生き生きした動き,ちょっぴりおどろおどろしいくて好奇心を刺激する背景,思わず欲しくなる小道具の数々は文章だけでは伝わらないムーミンたちの世界の奥行きを伝えてくれますよ。
子供は未知の世界があることに大いに興味をそそられるだろうけれど私は大人と呼ばれる世代にもお奨めしたい。効率化と競争の時代において,自分の中で捨て去らなければいけないあらゆるものがムーミンの世界では存在を許されていることに,すこしのあいだ,ほっとしてほしいから。 彗星、迫る!ムーミン童話のシリーズで一番好きな作品♪TVアニメ(特に古い方)と違って、決して「明るく」も「楽しく」もないムーミン童話だけれど、その中でも特に危機感タップリのお話。なんたって世界を滅亡させる彗星が迫っていると言うのだから気宇壮大だ。そんな危機的な世界を見て回るムーミン、スナフキン、スノークのお嬢さん(ノンノン)、スニフ。
冒険はしても大した事はしないいつもの一行。でも、わがままなトコも多々有るけれど基本的には優しいムーミンにホロリとさせられる私でした。